YOU シー 。

さいころピアノを習っていた。

レッスンが嫌いで、練習という練習をした記憶はそんなにない。そのせいで、レッスンの状況は常に芳しくなく。毎週土曜日の午後の時間がとても嫌いだった。

過去の自分が頑張らなかったばっかりに、つい最近まで鍵盤は弾けても全く楽譜が読めなかったよ。この年になってもドの音から数えないと楽譜が読めなかったんだよK少年。

音の長さ。休符。リズムなんてもってのほかよ。

 

そういえば、当時も楽譜が読めなかったから、曲を弾いてもらって音もリズムも覚えて弾いていたな。読めなかったというか少年の怠惰で読まなかったんだけどね。

 

 

そんなこんなでピアノは好きでもなんでもなかったんだけど。とあるきっかけで、社会人になってから弾き始めたんだ。

きっかけは、高校時代からの友人。プロのアーティストを目指し現在も奮闘している友人。今は、友人じゃなく勝手に親友だと思っているけどね。

早く彼がもっともっと日の目を浴びる日が来ないかな。楽しみにしている。

 

そんな彼がとてもカッコよくてね。

俺みたいなドのつく素人相手にも、すごく楽しそうに音楽の話をしてくれるし、聞いたことに全力に答えてくれる。

そんな彼と話しているのが楽しくて、もっと話したいな~て思ったのもあるね。

 

そのような経緯でピアノを弾き始めて少したってから、仕事の関係で以前お世話になっていたピアノの先生と再会することになった。

こんな、始めたタイミングで?こんな偶然ってありますか?

と心の揺れたタイミングで先生に「またピアノひくか?」と聞かれた。

自分で言うのも恥ずかしいけど、ジンクスとか願掛けとかルーティンとかをずっと信じて生活の中に組み込んで、これまで生きてきたから、「多分偶然じゃない!」という直感で二つ返事で先生に答えた。

 

それから、社会人の時間の限られた生活の中、ピアノに向き合うようになった。

本当は教材とかあるんだろうけど、やらなくていいから弾きたい曲だけやりな、という言葉に甘えて、好きなものばかり弾かせてもらっている。

 

そんな中、先日、「クラシックには興味ないの?」「コンクールとかは?」とかまをかけられた。冗談なのか、本当なのか真意はわからないが。

「滅相もない。まだ趣味でいいと話をしたが。」

 

いつかそんなところを目指す時が来るのだろうか。

 

何年後かそうなっていたいな、とも心のどこかで思っている自分もいたりいなかったり。

 

ピアノは長距離種目と似ているな。

毎日毎日地味な作業をし続ける。

自分の性格にあっているのかもな。

大人になって、こんな熱中できるものに出会うとも思わなかったよ。