道しるべ
毎日、朝晩、私の中でルーティンになっている儀式を行う。
儀式とはいっても、大層なことではない。言い換えるならば、心を込める。
儀式の際は、
朝は「今日も無事、何事もなくすみますように。うまくいきますように。」
夜は「無事、一日が終了しました。ありがとう。」
と伝える。誰に伝えるかは、ここでは言わない。
お線香を灯している間は、故人と会話をすることができるという。
火をつけるといつも、そんな話を思い出す。
素敵な話だ。
朝の時間は、せわしない。三十分が五分で過ぎてしまう。
どう考えても時空がゆがんでいる。
夜ヘロヘロで帰宅すると、スーツを脱いで、整えるのでやっとだ。
皆さんはどうだろうか。
朝はせわしなく、夜はヘロヘロ。
そんな生活をしていると、大切な自分の儀式を忘れてしまうときがある。
それでも、一日、何事もなく過ごせる日もあれば、逆もまた存在する。
しかし、それでも儀式は必要だ。
儀式は結果で見るものではない。過程が大切なのだ。
私は、いつも守ってもらっている。だから誰にも負けない。
今日は、出先で少し嫌なことがあった。
私の仕事は、少し特殊だ。そのため、詳細は控える。
それでも、最後にはいろいろな話をさせてもらった。
これも、毎日、朝晩儀式を行っているからだろう。
途中途中、頭の中に降ってくる言葉があった。
なかなか言葉を選び書かなくてはならないため割愛する。
そんな私は、今日も火を灯し、ありがとうを伝える。